確定申告、毎年2月になってから慌てていませんか?個人事業主にとって確定申告は毎年のことなのに、なぜか毎年同じように慌ててしまう——その理由は「流れを把握していないから」です。
「何から手をつければいいかわからない」「期限ギリギリになってしまう」「毎年同じ失敗を繰り返している」。そういう個人事業主がとても多いです。会計事務所で5年間、毎年この時期に何人もの個人事業主の確定申告を手伝ってきた経験から、正直にお伝えします。
確定申告は順番通りにやれば難しくありません。この記事では、確定申告の流れを5ステップで解説します。期限・必要書類・よくある失敗まで全てお伝えします。
- 確定申告の流れ5ステップ
- 各ステップの期限と必要書類
- 確定申告でよくある失敗5つと対処法
- 毎年慌てないための準備習慣
個人事業主の確定申告とは何か|申告が必要な人と期限
- 個人事業主は原則として毎年確定申告が必要です
- 申告しないと無申告加算税がかかります
確定申告が必要な人・期限・申告しないとどうなるか
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得と税額を計算して、税務署に申告・納税する手続きです。
個人事業主は原則として毎年確定申告が必要です。年間の所得が48万円以下の場合は申告不要ですが、青色申告特別控除を受けるためには申告が必要です。
確定申告をしないと無申告加算税(15〜20%)がかかります。期限を過ぎると延滞税も加算されます。必ず3月15日までに申告してください。
個人事業主の確定申告の流れ5ステップ【順番通りにやるだけ】
- この順番通りにやれば迷いません
- 毎月の記帳ができていれば2月からの作業は1日で終わります
STEP1:1月に帳簿の最終確認をする(所要時間:毎月記帳済みなら1時間以内)
1月1日から帳簿の最終確認を始めます。12月分の記帳が完了しているか確認します。現金払いの経費で未入力のものがないか確認します。勘定科目が正しく設定されているか確認します。
毎月記帳ができていれば、1月の作業は1時間以内で終わります。1年分をまとめてやろうとすると1週間かかります。
STEP2:1〜2月に控除証明書を集める(届いたらクリアファイルに保管)
1月から2月にかけて各種控除の証明書が届きます。届いたら専用のクリアファイルにまとめておきます。
- 国民年金の控除証明書(日本年金機構から届く)
- 国民健康保険料の納付額(通帳の記録または市区町村発行の証明書で確認)
- 生命保険料控除証明書
- iDeCo・小規模企業共済の掛金証明書
- ふるさと納税の寄付金受領証明書
- 医療費の領収書(年間10万円以上の場合)
STEP3:2月中旬〜会計ソフトで申告書を作成する(FreeeまたはマネーフォワードME)
2月中旬から申告書の作成を始めます。FreeeやマネーフォワードMEを使っていれば、帳簿データから自動で申告書が作成されます。
申告書作成で確認すること:
- 売上・経費の合計が帳簿と一致しているか
- 青色申告特別控除(最大650,000円)が適用されているか
- 各種控除が全て入力されているか
- 納付税額または還付税額が正しいか
STEP4:3月15日までに申告書を提出する(e-Taxが最もおすすめ)
申告書の提出方法は3つあります。
- e-Tax(オンライン提出):マイナンバーカードが必要。最も簡単でおすすめ。
- 郵送:申告書を印刷して税務署に郵送する。
- 窓口持参:税務署の窓口に直接持参する。2月中旬から3月中旬は混雑する。
提出期限は3月15日です。e-Taxなら24時間いつでも提出できます。期限ギリギリは混雑するので2月中に提出することをおすすめします。
STEP5:3月15日までに納税する(振替納税なら4月中旬〜下旬頃に引き落とし)
所得税の納付期限は3月15日です。納付方法は以下の通りです。
- e-Taxと連携したダイレクト納付(銀行口座から引き落とし)
- コンビニ納付(QRコードまたはバーコードで支払い)
- 金融機関の窓口で納付
- 振替納税(口座振替。引き落とし日は4月中旬〜下旬頃)
還付申告の場合は提出後1〜2ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。
確定申告でよくある失敗5つ【知っておけば防げる】
- 知っておけば防げる失敗がほとんどです
失敗①:経費・控除の計上漏れ(iDeCo・ふるさと納税・医療費)
払っているのに経費にしていないものがあります。iDeCo・小規模企業共済・ふるさと納税・医療費控除は忘れがちです。申告前に必ず確認してください。
失敗②:青色申告特別控除が最大額(65万円)適用されていない
青色申告をしているのに650,000円の控除が適用されていないケースがあります。e-Taxで申告していない・複式簿記で帳簿をつけていないと550,000円または10万円の控除になります。
失敗③:期限(3月15日)を過ぎる
3月15日を過ぎると無申告加算税がかかります。「少し過ぎても大丈夫だろう」と思っていると痛い目を見ます。遅くとも3月10日までには提出してください。
失敗④:納税資金の準備不足(住民税・国保が確定申告後に来る)
確定申告後に来る税金(所得税・住民税・国民健康保険料)の準備ができていないケースが多いです。毎月売上の20%を税金用口座に積み立てておく習慣をつけてください。
失敗⑤:消費税の申告を忘れる(売上1,000万円超の翌々年から義務)
売上が1,000万円を超えた翌々年から消費税の申告・納税義務が発生します。知らずに申告しないと無申告加算税がかかります。売上が増えてきたら消費税の状況を必ず確認してください。
毎年慌てないための準備習慣【毎月11分でできる】
- 毎月5分の習慣が確定申告シーズンの慌てをなくします
毎月やること(合計11分)
- 会計ソフトの自動取り込みが正しいか確認する(5分)
- 現金払いの経費を手動入力する(5分)
- 売上の20%を税金用口座に移す(1分)
毎月11分の習慣が、確定申告シーズンの1週間の作業をなくします。今月から始めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 確定申告の期限に間に合わなかった場合はどうすればいいですか?
A. 気づいた時点でできるだけ早く期限後申告(遅れた申告)を行ってください。税務署から調査の通知が来る前に自主的に申告した場合は、無申告加算税が5%に軽減されます。放置すると15〜20%の無申告加算税に加えて延滞税も加算されるため、遅れても必ず申告してください。
Q. 確定申告は自分でできますか?税理士に頼む必要はありますか?
A. FreeeやマネーフォワードMEなどの会計ソフトを使えば、経理知識がほぼゼロでも自分で対応できます。売上が年間1,000万円以下で取引がシンプルな場合は自分でやることをおすすめします。売上が大きくなってきた・複雑な取引がある・法人化を検討しているという段階では税理士への相談を検討してください。
Q. 青色申告と白色申告の違いは何ですか?
A. 最大の違いは青色申告特別控除(最大65万円)の有無です。青色申告に変えるだけで毎年最大65万円を所得から差し引けます。複式簿記での記帳が必要ですが、会計ソフトを使えば知識ゼロでも対応できます。個人事業主には青色申告が圧倒的におすすめです。
まとめ:確定申告は準備がすべてです
確定申告で慌てる人と慌てない人の違いは、準備ができているかどうかだけです。毎月5分の記帳習慣と税金の積み立て習慣があれば、確定申告シーズンは申告書を確認して提出するだけになります。
今年から習慣を変えてください。来年の確定申告が別物になります。
確定申告の準備でわからないことがあれば、お気軽にご相談ください。
- STEP1:1月に帳簿の最終確認をする
- STEP2:1〜2月に控除証明書を集める
- STEP3:2月中旬〜会計ソフトで申告書を作成する
- STEP4:3月15日までに申告書を提出する(e-Taxがおすすめ)
- STEP5:3月15日までに納税する(振替納税なら4月中旬〜下旬頃に引き落とし)
- 毎月11分の記帳習慣と税金の積み立て習慣が確定申告シーズンの慌てをなくします
