個人事業主の税金支払いスケジュール一覧|所得税・住民税・国保の期限を月別に解説

個人事業主の税金支払いスケジュール一覧|所得税・住民税・国保の期限を月別に解説


「確定申告が終わったのに、また税金の通知が来た」——個人事業主なら必ず経験する場面です。

個人事業主は1年間を通じて最大6種類の税金・保険料の支払いが続きます。いつ・いくら・どの税金を払うかを把握していないと、突然の請求で資金ショートします。元会計事務所スタッフとして、税金スケジュールを知らずに毎年慌てる個人事業主を何人も見てきました。

この記事では、個人事業主が1年間に払う税金の種類・期限・金額の目安を月別に全てまとめます。これを見れば税金の請求で慌てることはなくなります。

この記事で分かること
  • 個人事業主が払う税金の種類と仕組み(最大6種類)
  • 月別の税金支払いスケジュール一覧
  • 各税金の金額の目安(所得300万円・500万円)
  • 税金で資金ショートしないための準備方法
目次

個人事業主が払う税金の種類【最大6種類】

この章のポイント
  • 個人事業主は最大6種類の税金・保険料を払います
  • 全部合わせると所得の30〜40%になることもあります

①所得税|3月15日納付・税率5〜45%の累進課税

国に納める税金です。確定申告で1年間の所得を計算して、3月15日までに納付します。税率は所得に応じて5〜45%の累進課税で、復興特別所得税(2.1%)が加算されます。

②住民税|6月通知・前年所得の約10%+均等割約6,000円

都道府県と市区町村に納める税金です。前年の所得に基づいて計算され、6月頃に通知書が届きます。所得割(約10%)と均等割(年間約6,000円)の合計です。

※均等割は2024年度から道府県民税1,500円+市区町村民税3,500円+森林環境税1,000円の合計6,000円が標準です。

③国民健康保険料|6月通知・前年所得に基づいて計算

健康保険として納める保険料です。前年の所得に基づいて計算され、自治体によって金額が異なります。6月頃に通知書が届き、年間10回程度に分けて納付します。

④予定納税|7月・11月に前年所得税の3分の1ずつを前払い

前年の所得税が15万円以上の場合に発生する所得税の前払い制度です。7月31日と11月30日に前年所得税の3分の1ずつを納付します。確定申告で精算されます。

⑤個人事業税|8月・11月の2回・事業所得290万円超で発生

都道府県に納める税金です。事業所得が290万円を超えた場合に発生します。税率は業種によって3〜5%です。8月と11月の2回に分けて納付します。

⑥消費税|3月31日納付・売上1,000万円超の翌々年から

売上が1,000万円を超えた翌々年から納税義務が発生します。確定申告と同時期(3月31日まで)に申告・納付します。売上規模によっては中間申告も必要です。

これら6種類の合計が所得の30〜40%になることがあります。毎月売上の20〜30%を税金用口座に積み立てる習慣をつけてください。

個人事業主の税金支払いスケジュール月別一覧

この章のポイント
  • このスケジュールを年初に手帳やカレンダーに書き込んでください
  • 3月・6月・7月・11月が税金の重なる要注意月です

1月:住民税第4期+源泉所得税納期特例

  • 1月10日:源泉所得税の納期特例(7〜12月分)※従業員・外注先への支払いで源泉徴収している場合
  • 1月末:住民税第4期の納付

2〜3月【最重要】:所得税・消費税の確定申告と納付

  • 2月16日〜3月15日:確定申告の受付期間
  • 3月15日:所得税の確定申告書提出期限・納付期限
  • 3月31日:消費税の確定申告・納付期限(課税事業者のみ)

3月は税金の支払いが集中する最重要月です。所得税と消費税が重なる場合は特に大きな資金が必要になります。

4月:振替納税を選択した場合の所得税引き落とし

  • 4月下旬:振替納税を選択した場合の所得税引き落とし(毎年日付が変わるため国税庁HPで確認してください)

6月【要注意】:住民税・国民健康保険料の通知書が届く

  • 6月:住民税の通知書が届く(金額と納付スケジュールを確認する)
  • 6月:国民健康保険料の通知書が届く(金額と納付スケジュールを確認する)
  • 6月末:住民税第1期の納付

6月は突然大きな通知書が届く月です。前年の所得が増えた場合は住民税・国民健康保険料も大幅に増えます。準備していないと驚きます。

7月【要注意】:予定納税・個人事業税・住民税が重なる

  • 7月10日:源泉所得税の納期特例(1〜6月分)
  • 7月31日:予定納税第1期(前年所得税15万円以上の場合)
  • 7月31日:個人事業税第1期(事業所得290万円超の場合)
  • 7月末:住民税第2期の納付(自治体によって8月の場合あり)

7月は予定納税・個人事業税・住民税が重なる月です。合計で数十万円になることがあります。

8月:住民税第2期+消費税の中間申告(該当者のみ)

  • 8月末:住民税第2期の納付(自治体によって7月または8月)
  • 8月31日:消費税の中間申告・納付(前年消費税48万円超の課税事業者)

10月:住民税第3期+消費税の中間申告(高額納税者)

  • 10月末:住民税第3期の納付
  • 10月末:消費税の中間申告・納付(前年消費税400万円超の課税事業者)

11月【要注意】:予定納税・個人事業税の第2期

  • 11月30日:予定納税第2期(前年所得税15万円以上の場合)
  • 11月30日:個人事業税第2期(事業所得290万円超の場合)

12月:経費の計上期限+簡易課税制度の届出期限

  • 12月末:その年の経費の計上期限(年内に払った経費はこの年の確定申告に計上できる)
  • 12月31日:消費税簡易課税制度選択届出書の提出期限(翌年から適用したい場合)

各税金の金額の目安【所得300万円・500万円の概算】

この章のポイント
  • 所得300万円・500万円の場合の目安をお伝えします
  • あくまで概算です。実際は控除額によって異なります

所得300万円の場合(概算)

  • 所得税:約10〜15万円(各種控除によって大きく変わる)
  • 住民税:約25〜30万円
  • 国民健康保険料:約30〜40万円(自治体によって異なる)
  • 個人事業税:約5,000円(290万円超の10万円×5%)
  • 合計目安:約65〜90万円

所得500万円の場合(概算)

  • 所得税:約45〜65万円(各種控除によって変わる)
  • 住民税:約45〜50万円
  • 国民健康保険料:約60〜80万円(自治体によって異なる)
  • 個人事業税:約10〜11万円
  • 合計目安:約160〜210万円

所得500万円でも税金・保険料の合計が160〜210万円になることがあります。毎月の積み立てなしに確定申告を迎えると資金が足りなくなります。

税金で資金ショートしないための3つの準備

この章のポイント
  • 毎月売上の20〜30%を税金用口座に積み立てるだけで防げます

準備①:今日中に税金専用口座を作る

事業用口座とは別に税金専用の口座を作ります。毎月売上が入ったら20〜30%をこの口座に移します。絶対に手をつけません。

準備②:3月・6月・7月・11月を要注意月としてカレンダーに書き込む

このスケジュールをカレンダーに書き込んでください。3月・6月・7月・11月が税金の重なる要注意月です。この月の前月までに資金の確認をする習慣をつけます。

準備③:今年の税金の概算を今すぐ計算する

今の売上・経費・控除を入力するだけで今年の税金の概算がわかるツールで、今年どのくらいの税金が来るかを事前に把握してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主の税金で最も金額が大きいのはどれですか?

A. 所得によって異なりますが、多くの個人事業主にとって国民健康保険料が最も大きな負担になりがちです。所得300万円でも年間30〜40万円、所得500万円では60〜80万円になることがあります。次いで住民税、所得税の順になるケースが多いです。

Q. 確定申告後に来る税金の通知書はいつ届きますか?

A. 住民税の通知書は6月頃、国民健康保険料の通知書も6月〜7月頃に届きます。個人事業税の納税通知書は8月頃に届きます。確定申告をした年の6〜8月に集中して通知書が届くため、この時期の資金の準備が特に重要です。

Q. 予定納税はどうすれば減額できますか?

A. 当年の所得が前年より大幅に減少する見込みがある場合は、7月15日までに「予定納税額の減額申請書」を税務署に提出することで予定納税額を減額できます。廃業・病気・業績悪化などが理由として認められます。売上が落ちた年は積極的に活用してください。

まとめ:税金のスケジュールを把握して先手を打ってください

税金で慌てる人と慌てない人の違いは、スケジュールを把握しているかどうかだけです。いつ・いくら払うかを事前に把握して、毎月積み立てをしておけば、どんな請求が来ても慌てません。

このスケジュール表を手帳やカレンダーに書き込んで、税金用口座への積み立てを今日から始めてください。

個人事業主の税金支払いスケジュール一覧|所得税・住民税・国保の期限を月別に解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次