「税務調査が来たら、何をされるんだろう」。そう思ったことはありませんか?
税務調査という言葉を聞くだけで怖くなる。でも実態を知らないから余計に怖い。会計事務所で働いていた5年間、実際に税務調査の現場に立ち会ったことがあります。知らない人が想像するほど怖いものではありません。ただし準備ができていない人には本当に怖いものになります。
この記事では、税務調査で実際に何が起きるかをリアルにお伝えします。
- 税務調査の連絡が来てから終了までの流れ
- 調査当日に実際に何をされるか
- 調査官が必ず聞いてくる質問
- 否認されやすい経費のパターン
- 調査を乗り越えるために今からできること
税務調査の連絡が来てから終了までの流れ
- ほとんどの場合は事前連絡があります
- 連絡から調査終了まで1から2ヶ月かかることが多いです
STEP1:税務署から事前連絡が来る
ほとんどの場合、税務調査は事前連絡があります。税務署の担当者から電話で「調査に伺いたい」という連絡が来ます。突然来るわけではありません。
連絡を受けたらまず税理士に相談してください。税理士がいない場合は、この段階で税理士に相談することを強くおすすめします。日程は1から2週間の猶予をもらうのが一般的です。
STEP2:調査前の準備をする
調査日程が決まったら以下を準備します。
- 帳簿・総勘定元帳・試算表
- 領収書・請求書(過去3から5年分)
- 通帳・クレジットカード明細
- 契約書・見積書・発注書
- 確定申告書の控え
STEP3:調査当日(1から2日間)
調査官が自宅または事務所に来ます。1名から2名で来ることが多いです。調査は1日から2日かかることが一般的です。
STEP4:調査後の対応
調査が終わると「問題なし」または「修正申告が必要」のどちらかになります。修正申告が必要な場合は、追徴課税の金額が確定します。
調査当日に実際に何をされるか
- 調査官は帳簿・領収書・通帳を徹底的に照合します
- 一つひとつの支出について「何のための経費か」を確認されます
帳簿と通帳の照合
まず帳簿の売上と通帳の入金が一致しているかを確認します。帳簿に記録されていない売上がないかをチェックします。現金売上がある場合は特に厳しく確認されます。
経費の確認
領収書を一枚ずつ確認します。金額が大きい経費・同じ取引先への支払いが多い経費・現金払いの経費は特に注目されます。
調査官は必ずこう聞きます。「この領収書、何のためですか?誰と、どこで、何の目的で?」この質問に即答できない支出は否認されるリスクが高まります。
生活状況の確認
申告された所得と実際の生活状況が合っているかも確認されます。申告所得が低いのに高級車を所有している・SNSで豪華な生活を発信しているなどの場合は、収入の申告漏れを疑われます。
調査官が必ず聞いてくる質問と正しい答え方
- 聞かれたことだけ答える
- わからないことはその場で答えず「確認します」と伝える
よく聞かれる質問と答え方
「この領収書は何のためですか?」→「〇〇株式会社の田中部長との来月の受注に向けた打ち合わせの会食です」と具体的に答える。
「この経費はプライベートでも使っていませんか?」→「自宅兼事務所のため事業使用割合〇%で按分しています。根拠はこちらです」と根拠を示して答える。
「売上の管理はどうやっていますか?」→「Freee(またはマネーフォワードME)で管理しています。こちらが帳簿です」と帳簿を提示して答える。
絶対に言ってはいけない言葉:「たぶん」「だいたい」「忘れました」「領収書はあります(だけ)」。これらの言葉は調査官に「管理できていない」という印象を与えます。
否認されやすい経費のパターン
- これらの経費は調査官が特に注目します
- 記録と根拠をしっかり残しておくことが必要です
否認されやすい経費トップ5
1つ目は目的が不明な交際費です。誰と・何のためかを説明できない飲食費は否認されます。
2つ目は根拠のない按分経費です。自宅家賃・スマートフォン代・車両費などで按分割合の根拠がないものは否認されます。
3つ目は家族への実態のない給与です。実際に働いていない家族への給与・相場と乖離した高額な給与は否認されます。
4つ目は私用と混在している支出です。プライベートでも使えるものを全額経費にしているケースは否認されます。
5つ目は金額が大きい現金支出です。数十万円以上の現金支出で説明できないものは否認されます。
調査を乗り越えるために今からできること
- 日々の記録習慣が最強の税務調査対策です
今日からできる3つの習慣
1つ目は領収書に30秒でメモを書き足すことです。誰と・何のため・どの売上につながるかを書くだけです。
2つ目は按分の根拠を数字で記録することです。家賃・スマートフォン・車の按分割合とその根拠を記録しておきます。
3つ目は毎月の帳簿記録を適時に行うことです。まとめてやらず毎月5分で処理する習慣をつけます。
「いつ調査が来ても大丈夫」という状態を作っておくことが、経営者としての最強の守りです。調査が来てから準備しても遅い。
まとめ:税務調査は準備ができていれば怖くない
税務調査は、準備ができている人には怖くありません。帳簿が整っていて、経費の説明ができて、按分の根拠がある。それだけで調査官は「問題なし」と判断して帰ります。
怖いのは準備ができていない人だけです。逆に言えば、日々の記録習慣さえあれば税務調査を恐れる必要はありません。
税務調査への備えについて、具体的なアドバイスが必要な方はお気軽にご相談ください。
- ほとんどの税務調査は事前連絡があります。突然来るわけではありません
- 調査当日は帳簿・領収書・通帳を徹底的に照合されます
- 「この経費は何のためですか?」という質問に即答できる状態にしておく必要があります
- 否認されやすい経費は交際費・按分経費・家族給与・私用混在支出・高額現金支出です
- 領収書への30秒メモ・按分根拠の記録・毎月の帳簿記録が最強の税務調査対策です
